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いじめによる自殺 いじめによる自殺 ああ
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1192 まりさとおちびちゃん/コメントログ」
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「ふたば系ゆっくりいじめ 2 散歩した春の日に/コメントログ」 ふたば系ゆっくりいじめ 2 散歩した春の日に 何度見ても名作 久々にスカッとしたよ -- 2009-12-17 01 26 10 良作 -- 2010-06-19 21 59 35 ほんとこれは傑作です。 -- 2010-06-26 17 12 49 本当にいい話だ。 -- 2010-07-05 22 31 50 まりさ可哀想。 -- 2010-07-15 06 02 23 読後感の悪さが拭えない -- 2010-07-16 16 20 39 まりちゃも可哀想。 -- 2010-07-17 07 05 01 というか、喋って動くのに生き物ではないから生殖なんてしないって、お姉さんは高校で何勉強してたんだ。 お姉さんの方が餡子脳じゃないか -- 2010-07-22 11 18 41 ↓高校行ったかどうかわからんだろ というかゆっくりの生態を勉強するかわからんだろ -- 2010-07-25 01 22 25 飼いゆや元飼いゆの迷惑行為の責任は飼い主に帰結すると思う。 学校で教えるかどうかは知らんが、こんな正体不明でへんちくりんな生き物を飼うのに、前もって知識を仕入れておかないのは明らかに怠慢。 -- 2010-07-25 18 11 09 いい作品。 ゴミが不幸になるのはいいね -- 2010-07-26 04 42 46 まりさはかわいそうじゃないよ。どこがかわいそうなの? -- 2010-08-07 08 21 47 自分の事はいいから子供を助けてほしいと言えるだけゆっくりにしては殊勝だと思う 人間だって自分の子供を売春宿に売り飛ばす奴や虐待する奴もいるんだし -- 2010-08-08 21 51 11 さすがにここまで冷酷な人間は悪趣味と思わざるを得ない・・・ -- 2010-08-24 08 25 50 読むの3回目だがアレだな。SSでだったらHAHAHAって感じなんだが、 挿絵のうつろな目でぼんやりと虚空を見つめる子まりさの死体見ちゃうと・・・同情しちゃうな。 ふと思う。バイオハザードをプレイして「ゾンビの頭が粉々だ~www」とか喜んでる子供も 目の前でリアルゾンビが内臓ぶちまけたらドン引きして泣くんだろうな・・・ ゆっくりでも同じな気がした。 -- 2010-08-25 18 43 37 俺もこいつらのどこがかわいそうなのかわからんな。塵くずがいっこ増えただけの話しじゃん。このでかいのもすぐに塵となるんだろうな。それだけのことだ。同情?馬鹿みてえ。そんなのかわいそうっいておもってる自分に酔ってるだけだよ。俺ってやさしー!なんてな。 -- 2010-09-05 15 13 58 猫や犬は動くし生殖もするけど飼い主に無断で勝手にガキをこしらえたりしないぞ お姉さんのニーズに答えるのが飼ゆの仕事であり義務なんだから、それに反することをしちゃ駄目じゃないか -- 2010-09-15 16 09 08 >猫や犬は動くし生殖もするけど飼い主に無断で勝手にガキをこしらえたりしないぞ ・・・するよ、やたらとしないのは発情時期じゃないだけw しないなら避妊手術なんていらないだろう? -- 2010-10-01 16 18 12 まりさがやや独善的だな -- 2010-10-11 22 21 35 いい作品だ -- 2010-12-03 22 06 49 ゴミクズごときが権利を主張するなぞ一千万年早い。 そこを勘違いしてるから、このSSのような発言が出てくる。 -- 2011-01-04 20 45 25 すばらしい -- 2011-01-26 20 00 09 ゆっくりってこんな発言してら、いじめられる訳ないってな。 あるいみまりさかわいそうですねー・・・ -- 2011-04-09 11 37 23 最ッ高ッにゆっくりできた -- 2011-09-05 03 39 01 どこの世界でも「ぼっち」は暗い人間なんだな・・・ -- 2011-09-15 20 08 52 ふぅ… -- 2012-01-08 04 26 43 ゲスまりさの存在を知ってからは良害関係なくまりさは嫌いになった。 よって最っ高っにすっきりできたwww -- 2012-03-22 17 42 05 これは酷い -- 2012-04-03 07 40 32 これニコニコ動画に知られるとおこらるよ これ -- 2012-04-03 07 48 21 これに至ってはぼっちとか関係ないんだよな理由は中毒性があるだそ中毒は人によっては全くかからないがある人には掛かるそんな感じだまさか俺がゆ虐が好きになるなんて思いもしなかっよ。だってゆっくり以外の虐待とかダメだもん精神的にだけど最初は嫌悪感がやたらあって見たくないと思い何日も見なかったけど日を追うごとに気になってねそんでまたみるの繰り返しで、次第に好きになるという感じだ。まぁ理解しなくていいよこれが異常だということは自分自身気付いてるし多分他の奴らも気が付いているというかそういったコメを観るからねだからね一々人徳といても無駄これこそ麻薬みたいなもんなんだからさ -- 2012-07-13 22 34 40 うわーさいてーあははなはははははははははははははははははははなははははははははははってことはないまあごみがすることだなキチガいどたかあっよっぽどこころがきずついてるな -- 2012-08-01 11 18 23 すすすすすすすすすすすすっきりー!!!!!!!! -- 2012-11-19 15 22 54 このまりさなら飼っても良いかな、でも元飼い主は酷い奴だな、ゲス人間だなそんなんじゃ一生独り身がお似合いだぜ 善良が虐待されるのは好きじゃないが、これは別に虐待している訳じゃないからな、とてもゆっくりできたよ -- 2012-12-10 12 47 10 いやーーーーー!!!! なんでゆっくりをいじめるの! ゆっくりをいじめやっはしねーーー!!!! -- 2013-07-17 21 54 16 元の飼い主さんはゲス人間だね。ならゆっくり死ね! -- 2013-08-08 14 25 42 六個下 同感だわ 元飼い主ひどいやつだな・・・ -- 2014-01-06 18 03 28 飼い主さんは一生独身ね! -- 2014-02-04 18 49 09 アホな飼い主のせいで結構な値のする良個体が狂っちまったよ -- 2014-08-29 01 45 12 異常性癖とわかっていてもつい読んでしまう… ゆぎゃくの魔力は恐ろしいな -- 2014-11-04 21 32 27 『いやーーーーー!!!!』のにんげんしゃん、ここはゆっくりいじめのぺーじだよ! ゆっくりりかいしてね!あとあまあまちょうだ『ピチュ』 人間様をののしったけっかがこれだよ -- 2014-12-31 21 43 23 親マリさうぜぇーー -- 2015-04-25 22 53 34 ゆっくりがやばい 親が -- 2015-09-21 22 45 52 ゆぎゃく死ぬ -- 2017-01-12 22 20 56 非のない善良なゆっくりが酷い目に合うのは胸糞悪いな。イラストも合わさって不快感半端ない。やっぱ自業自得系じゃないと -- 2017-12-01 06 22 48 うーん、マジで一瞬で苦しまずに永遠にゆっくりさせてあげたいまりさ -- 2022-04-25 18 26 22 もとのかいぬしさんみたいなゲスにんげんさんにはぷくーなんだよ! -- 2023-02-13 16 15 08
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「ふたば系ゆっくりいじめ 711 博打打ちの八つ当たり/コメントログ」 きもい -- 2010-07-03 18 49 05 光る石って結局何だったの? 何か元ネタがあるの? -- 2010-10-04 05 13 35 光る石が気になるな。 集めて人間の家の明かりにもできるんじゃね? -- 2010-10-28 15 04 06 光る石…興味深いですねぇ -- 2010-11-28 18 33 18
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1273 ゆくドナルド3/コメントログ」 ゆうかにゃんポテトは買いだな!ゆっくりしないで買いに行くよ -- 2010-05-28 20 50 33 ゆうかにゃんポテトほぴぃ; ソフトクリームはちょっと食いたくないなw<ぺにぺにの部分から出てくる -- 2011-01-15 18 05 36 ゆうかにゃんポテト買うためなら借金してもいい!! -- 2011-10-08 02 36 37 ベーコンまりちゃバーガーウマソ -- 2011-10-08 15 55 05 赤ゆファイブ注文したら煩そうww(まぁ、注文するけどwww ···れてぃ白岩さん、どぼじでぇ? -- 2018-01-15 22 18 46
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1256 可愛い子/コメントログ」 勝手に車のホイールにゆっくりをつけるなよw 運ちゃんに迷惑 -- 2010-07-12 19 30 13 ↓そこかよw 確かに迷惑だ!運ちゃんは頑張っているんだぞ!! -- 2010-07-20 03 52 00 まあ走ってる最中に遠心力で引きちぎれるでしょ。その様子だれか書いてほしいな。 -- 2010-08-03 22 03 43 はっはっは。可愛いわけがあるかよお前なんか。 -- 2010-08-21 10 20 17 ホイールにボンド付けるとか酷い -- 2010-08-25 00 16 52 器物破損 -- 2010-12-17 08 20 05 風船に括りつけて飛ばす旅のほうが赤ゆも喜ぶと思う -- 2011-09-19 12 28 54 県外ナンバーのトラックは犠牲になったのだ… 自己中なおねーさんと馬鹿まりさの犠牲にな… 県外ナンバー『みたいだし』と言うことは確実に赤の他人 他人の車ににボンドでごみクズを貼るとか… ホイールに貼って車を走らせると言うアイデアは面白いんだけどね -- 2012-02-13 00 21 56 ちょ、関係ないトラックにゴミを貼り付けてんじゃねーよwww -- 2014-06-05 19 51 42
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あまあまスイッチ 39KB 【注意】 冗長です ネタ被りはご容赦を ある日、近所に住む菓子職人が箱一杯の飴を持ってきた。 時々あることなのだが、こいつが持ってきたものが美味かった例がない。 「美味しかったら店に並べるに決まってるだろう」 「正直者はホントむかつきますね。てか何で俺のとこに?」 「君なら使い道があると思ったんだけど」 「自分とこのゆっくりの餌にするべきだそうするべきだ。だからもって帰れ」 こいつの家には菓子の材料用のゆっくりが大量にいる。 どうせこの飴もゆっくりが材料なのだろうし、還元すればいいだろうに。 「あれらの餌にこういうものをやると、次から餌を食べなくなるんだ。 死んだほうがマシ、と思うのかは知らないけれど、餓死されるのは困る」 「だったら飼いゆにやれば? この前子供が産まれたらしいじゃないの」 「ゆっくりの餌にゆっくりをあげるとか、よくそんなひどい事言えるね」 「どうせ巡り巡ってゆっくりの腹に収まるのに。ショートカットくらいいいんじゃね?」 「それについてはあんまり触れないでくれよ」 「とにかく産業廃棄物なら産廃業者にお願いするのが世の中の常識であり俺んちに不法投棄すんな」 「わかったよ。はいこれ」 わさビーフ1袋。 なめとんのか。 「ふぉまえふぉふぁいふふぁふぃっふぃりふぁなふぃふぉふふぇふぁいふぉいふぇふぁいふぉうふぁな」 「食べるか喋るかどっちかにしてくれよ」 食べた。 「じゃあそれが代金ってことでよろしく頼むよ。たまにはうちのケーキでも買いに来てよ」 「甘いものは嫌いなんだよ」 ホントにどうすんだ、この飴玉ども。 今は家にゆっくりはいないし、愛で兄の家に持っていくとデブが蘇るし。 森に持ってってばら撒いても、ゆっくりがしあわせーとか言い出すとムカツクし。 ああ、不法投棄とか言われるのも勘弁だな、また警察で説教されたくない。 とりあえずネットでも見ながら使い道考えるか…。 「…はっ!?」 気がついたら一心不乱にクリック連打していた。 げに恐ろしきサイトがあったもんたい。 クリックするとお金がもらえる。 いや、別に本当にもらえるわけじゃない、表示される単位が「万円」というだけだ。 そして、たまに死ぬ。 これも当然本当に死ぬわけじゃないし、死ぬと金額がリセットされる。 ただこれだけの、リアルとは何の関係もないスイッチを、気付けば1時間もクリックしていた。 なんかこう、欲望の琴線に触れるストレートすぎる内容にハートが鷲掴みされたのだな、うん。 で、ここで思いついた。 これ、ゆっくりにやらせたら面白いんじゃね? 【あまあまスイッチ】 「という仕組みのものなのだよ」 「にんげんさん、どこむいてはなしてるの?」 という事で場所は家の裏手の森を奥深く進んだところ。 規模の大きな複数の群れなど、結構な数のゆっくりが住んでいるので、こいつを置くにはちょうどいい。 さすがに俺が張り付いて観察するわけにはいかないので、開けた場所に機械を置いた後、周囲を観察できるように仕掛けをした。 盗撮用の、無線で映像を飛ばせるタイプのカメラと、盗聴用の無線マイクをセットでだ。 大した距離を伝送できるわけではないが、中継器を置いてそこから有線すれば、後は自室に居ながらにして観察し放題だ。 手持ちの小型モニタを確認すると、カメラに向かって話していた俺の顔が映っている。 スピーカーは切ってあるが、横のレベルメーターが動いているので問題は無いだろう。 振り返ると、俺がその辺にいたゆっくりに声をかけて集めさせた群れが大集合している。 後はこいつらに仕組みを教えて帰るだけだ。 「そこのぱちゅりー、ちょっといいか?」 「むきゅ、ぱちぇになんのごよう?」 「お前ら全員が仕組みをきちんと覚えられるかわからんからな。 もちろん全員に説明はするが、お前には近くでよく見てもらう」 「むきゅ、そういうことならしかたないわね」 のんびりと這って近付いてきたぱちゅりーを抱えあげると、群れの中の1匹が声を上げた。 「ずるいよ! ぱちゅりーがあまあまさんをひとりじめするよ!」 いきなりこの調子でげんなりするが、今だけはちょうどいい。 「よし、じゃあお前。そう、そこのれいむ。お前に最初にあまあまをとらせてやろう」 「ゆ! さすがかわいいれいむはちがったね!!」 当然他のゆっくりからはブーイングの嵐だが、全員分のあまあまがあると言って黙らせる。 ウソは言っていない。 全員が生きて帰れるかは別問題だが。 「じゃあ、よく聞けよ、お前ら」 「「「ゆっくりきくよ!!」」」 まずは機械の外観から。 見た目には巨大なコーヒーメーカーだ。 上のコーヒーを抽出する部分に相当する場所が、飴玉タンクだ。 押し付けられた飴玉が、片栗粉をまぶした上で全部入っている。 片栗粉は飴玉同士の貼りつき防止のためだ。 最近涼しくなってきたし、近頃雨も少ないので、中で融けたりして出てこなくなるということは当分無いだろう。 下のポットを置く部分に相当する場所はスイッチになっている。 耐久性と誤動作防止の関係上、子ゆっくり程度の重量では反応しないが、これについては致し方ない。 ここに大人のゆっくりが乗ると、スイッチが反応して仕組みが作動する。 「れいむ、ここに乗ってみろ」 「ゆっくりのるよ!」 れいむはぽよんと飛び乗ったが、そんな勢いをつけなくても重さだけで反応するように出来ている。 スイッチが沈み込むと、中の機械が動く音が聞こえた。 ガコン! カラカラカラ…コトン 「ゆ、まんまるさんがでてきたよ!」 「それがあまあまさんだ」 「ゆゆっ!! ゆっくりたべるよ!! むーしゃ…がだいいいいいいいいいいいいいい!!!」 まあ、飴の歯で飴玉かじったらそうなるよな。 ていうか教えるの忘れてた。 「くそじじいいいいいい!! こんなのたべられないでしょおおおおおおお!?」 「悪い悪い。それはむーしゃむーしゃするんじゃなくて、ぺーろぺーろするあまあまさんなんだ」 「ゆゆ? ぺーろぺーろ…ししししあわせええええええええええええええ!!」 最初は飴玉を地面に置いたまま汚らしく舐めていたれいむだが、転がって食べにくいのに気がついたのか、すくい上げて頬張った。 しあわせーな顔がムカツク。 「むきゅ、あそこにのるとあまあまさんがでるのね。りかいしたわ」 「ま、それだけじゃないんだけどな」 「きゅ?」 「れいむ、そこで跳ねてみろ。あまあまさんがもっとでるぞ」 「ゆゆ!? ゆっくりりかいしたよ!」 聞くが早いか、れいむがぽゆんぽゆんとその場で飛び跳ねる。 跳ねるたびに出てくる飴玉を、跳ねながら器用に舌で拾い上げて口の中に放り込んでいく。 「しあわせーーー!!!」 周囲で見ているほかのゆっくりたちも、我慢できずに機械に群がってくる。 その時、それは起きた。 「…9、10」 「ゆべっ!!?」 元ネタだって死ぬことがあるんだから、この機械でも死なないはずが無い。 れいむは機械正面から飛び出した何本もの鉄槍に貫かれていた。 「「「ゆうううううううううううううううううううううううううう!?」」」 「むぎゅっ!? えれえれえれ…」 「おっとっと、こいつに死なれたら困るな」 ショックで吐き出したぱちゅりーの口元を押さえ、落ち着いたところでオレンジジュースをかけてやる。 その間に、れいむを串刺しにしていた鉄槍は機械の中に戻り、代わりに横から板が振るわれ、れいむの死体を弾き飛ばした。 死体に居残られると次のゆっくりが怯えて機械を使わないかもしれないので、そのための処置だ。 「…に、にんげんさん! なんなのこれはああああああ!?」 「実はな、これはゆっくりの神様からお前たちに持って行ってほしいと頼まれたんだ」 「むきゅ!?」 「ゆっくりしているゆっくりにご褒美だってな。 でも、ゆっくりの神様でも、どうしてもご褒美だけには出来なかったそうだ。 だから、時々罰があるようにもなっているんだ」 「むきゅう…そうだったの…」 こんな出鱈目でも信じるから餡子脳って素敵です。 ちなみに時々は時々だ、具体的には10回に1回。 こんな機械に乱数出すためにだけ電子機器乗せるの面倒だったので、歯車でカウントして定期的に罠が発動するようになっている。 どうせ3以上は数えられない餡子脳が相手だ、連中には乱数も同然だろう。 こうして準備は整った。 ぱちゅりーに群れ全体への説明を任せて、俺は家に戻った。 [初日] 「ゆうぅ…あまあまさんたべたいよ…」 群れの大半がこんな調子だった。 死んだれいむのしあわせー!な様子を見ているので、やはり自分も食べたいのだろう。 だが、死んでしまうのも間近に見たので、怖くてスイッチを押すことが出来ない。 「ゆん! まりさがあまあまをたべるよ!!」 機械を遠巻きに囲んでいる群れをかき分けて、1匹のまりさが機械に寄っていった。 このまりさ、狩りの腕前は群れ随一だが、おつむのダメさ加減も群れ随一。 「まりさまってね! えいえんにゆっくりしちゃうかもしれないんだよ!」 「まりさはとってもゆっくりしてるよ! だからだいじょうぶなんだよ! そんなこともわからないの?」 とまあ、こんな調子である。 群れのみんながはらはらしながら見守る中、ためらいも無くスイッチに飛び乗った。 ガコン! カラカラカラ…コトン 「ゆゆーん、しあわせー!!」 出てきた飴をひとつ頬張ると、まりさは意気揚々と巣に帰っていった。 こうなると後は早い。 「つぎはれいむがたべるよ!」 「ありすがさきよ!」 「まりさもたべたいんだぜ!」 「「まりさはさっきたべたでしょ!!」」 「それはまりさじゃないんだぜえええええええ!!」 「わからないよー!!」 次を争って群れ全体が一斉に機械に迫っていく。 遠景からのカメラの画像は、波が押し寄せていくようだった。 「や、やべっ! おざな…おさばびゅううっ!!」 「いぢゃい!! じんじゃう!! じにゅううううううう!!」 そのあちこちで、勢いに押されて潰れていくゆっくりが多発する。 「あまあまざん! じあわぜ! じあばびゃああああああああああああ!!」 爆心地であるスイッチの地点はなおひどいことになっていた。 スイッチに乗ることが出来たゆっくりも、四方八方から押し寄せるゆっくりの波に一方的に押し潰される。 運良く逃げる、などと期待できるような生易しい状態ではない。 全方位から来るゆっくりの津波から逃げられるはずも無い。 「そこまでよ!!」 ぱちゅりー渾身の大声で群れの動きが止まったとき、機械の周囲は潰れたゆっくりで埋め尽くされていた。 [2日目] 「やれやれ、これは手間だな…」 実に群れの3割が潰れ死んだ大惨事の翌日、俺は機械に積もった餡子の掃除に来ていた。 正直、欲望に忠実なゆっくりの性格を甘く見すぎていた。 「どうしてこんなことに…」 「全くだ」 隣では最初に機械の説明をしたぱちゅりーが嘆いている。 「にんげんさん、おねがいがあるわ」 さらにその隣から声をかけてきたのはありす。 このありすが、ぱちゅりーたちの群れを統治している長だった。 「ありすのむれに、とかいはじゃないゆっくりがたくさんいることがわかったわ。 せっかくのごほうびだけど、みんながゆっくりできなくなるからもってかえってほしいの」 おお、なかなか賢いありすだ。 ドスでもないのにこの規模の群れを率いているだけはあるということか。 なんでも昨日は群れの赤ちゃんの面倒を見るために残っていたが、ぱちゅりーに呼ばれて今日は来たらしい。 こいつがあの場にいればあんな混乱は無かったと思うのだが、ままならない。 「そうは言ってもな、神様からのお願いだから、俺が持って帰るわけにはいかないさ」 「ゆぅ…」 神様にかこつけているが、要するに機械の引越しをするのが面倒くさいだけだ。 別の群れに持ち込んだところで、初日の大混乱は大して変わらないだろう。 だったら、学習したこの群れに継続使用してもらったほうがいい。 「神様がせっかくくれたご褒美なんだぞ、お前がみんなをまとめて使わせればいいんじゃないか?」 「ゆううぅぅ…」 こんな感じで言いくるめて、機械を押し付けて帰った。 「ゆぅ、どうしようかしら…」 ありすは困っていた。 参謀のぱちゅりーに聞いた話によれば、昨日は群れの誰も彼もがご褒美に押し寄せたという。 特別に素行の悪いゆっくりだけ、というわけではないのだ。 今日は群れの誰もここに来てはいないが、いずれ誰かがここに来る。 そうすれば、先を争って殺到するようになるのも遠くない。 来てはいけないと制限することもできるが、いずれは破綻するだろう。 今群れに強いているすっきり制限がみんなにかけている負担を、ありす種の長だからこそ理解できた。 この上あまあま禁止などといっては、群れの統治が立ち行かなくなるだろう。 「ゆっ! ゆっ!」 そんなことを考えている間にゆっくりが1匹やってきた。 昨日の大混乱の引き金になった、あのまりさだ。 「ちょ、ちょっとまちなさいまりさ! どこにいくの!」 「ゆ、おさ? まりさはあまあまをとりにいくんだよ!」 「だ、だめよまりさ! いま、あのあまあまさんをどうするかかんがえているのよ!」 「あまあまはかみさまがくれたんだよ! みんなのものだよ! おさのものじゃないのになにいってるの?」 そう言って、長ありすの言うことなど全く聞かずに、まりさは機械に向かって跳ねていった。 「むきゅ、これはもうしかたないわ、おさ」 「ぱちゅりー…」 「むれのじゅうちんでこうたいで、かみさまのごほうびをみはるしかないわ。 そうしないと、きのうみたいなことになるとおもうの。 ぱちぇはもう、あんなのみたくないわ」 「そうね……そうするしかないわね」 「しあわせー!!」 無事に飴玉を手に入れたまりさが歓声を上げている。 それを聞きながら、長ありすと参謀ぱちゅりーはため息をついた。 [3日目] 昨日の長と重鎮たちの会議で、機械に見張りが付くことに加え、もうひとつだけルールができた。 それは「あまあまさんをもらいに行ったら、次は太陽さんが2回上がるまでもらいに行けない」だ。 一度に機械に集まるゆっくりを少しでも減らすための策で、参謀以外に重鎮の中にもう1匹いるぱちゅりーから提案された。 「これなら、ならぶのはだいたいはんぶんくらいですむわ。 むれのみんなも、このくらいならがまんできるとおもうわ」 早速群れにはルールが伝えられ、見張りの言うことを聞かないと群れから追放という罰も伝えられた。 不満を言うものがないでもなかったが、群れの大部分が一昨日の惨禍の当事者だけあり、そのことを持ち出されては黙って従った。 「まりさはきょうもいくの?」 「もちろんいくよ! れいむはいかないの?」 「みんないっぱいならんでるから、あしたにするよ」 「ゆん、じゃあまりさはれつさんにならぶよ!」 「れいむはかりにいってくるね!」 こうして重鎮ぱちゅりーの目論見通り、列を成すのは群れのおよそ半分のゆっくりたちだった。 今日の見張り担当はちぇんで、長い列を前後に走り回って割り込みやけんかを仲裁していった。 「しあわせー!」 「しあわせー!」 「しあわせー!」 「ゆびゃああああああああああああああああああ!!」 こんな具合に、適度に悲鳴をはさみながら、列は徐々に短くなっていく。 と、その列が半分ほどになった頃。 「ねえ、ちぇん」 「よんだんだねー?」 順番になったれいむが見張りちぇんを呼んだ。 「あのね、あまあまさんはたくさんもらってもいいの?」 「にゃ?」 このれいむは初日に、実験台になったれいむがスイッチの上で何度も飛び跳ね、あまあまをたくさん出していたことを覚えていた。 「れいむのはにーのまりさは、あのときにつぶれてえいえんにゆっくりしちゃったよ。 れいむのおうちにはおちびちゃんたちがいるよ。れいむはかわいそうなしんぐるまざーなんだよ。 れいむはおちびちゃんたちみんなのぶんのあまあまさんがほしいよ!」 「にゃにゃにゃにゃ!? ちぇんにはわからないよー!」 実を言うと、これは重鎮たちは誰も考えていなかった。 神様のご褒美は時々罰が出ることもあって、その時には永遠にゆっくりしてしまう。 なので、余計なリスクを負ってまでたくさんほしいというものが出るというのは想定外だったのだ。 「ちょ、ちょっとまってほしいよ! おさにきいてくるよー!」 そう言ってちぇんは長の巣目指して跳ねていったが、れいむはそれを待ってはいなかった。 あまあまさんを出してしまえばこっちのもの、そういう短絡的な思考でスイッチに飛び乗った。 「れいむー! おさがいいって……にゃ?」 ちぇんが戻ってくると、れいむはいなかった。 れいむの後ろに並んでいたありすが、顔を青くして震えている。 「ありす、れいむがどこにいったのかおしえてほしいよー?」 「れいむは……」 「……にゃっ!?」 ありすの見る先をちぇんも追うと、そこには体中を穴だらけにしてなお息のあるれいむが転がっていた。 「れいむううううううううううううう!?」 「…どぼぢで……でいぶは…がわいぞうな……じんぐ……まざー…な……に…」 駆け寄ったちぇんに恨み言を残して、れいむは永遠にゆっくりした。 この有様を見ていたゆっくりたちは、理解した。 かわいそうだとかは関係ない、ゆっくりしていないゆっくりは永遠にゆっくりさせられる、と。 もちろんそれは思い込みで、実際は10匹ごとに1匹が淡々と殺されるだけだ。 だが、機械を神様のご褒美と信じているゆっくりたちは、目の前の出来事を関係ありそうなことと結び付けて考えた。 「あ…ありすは、あまあまさんはいいわ。ゆっくりかえるわ…」 とかいはじゃない、とかいはじゃないと繰り返しつぶやきながら、ありすは列を離れて帰っていった。 リスクを考えられる頭の良い個体は、自分が本当にゆっくりできているかに悩み、列を離れていった。 残ったのは、自分がゆっくりできていると信じて疑わないゆっくりばかり。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」 その後1匹が犠牲になり、都合4匹の犠牲でこの日を終えた。 [7日後] その後も頭の良い個体から列に並ばなくなり、比較的おつむが残念な個体ばかりが列に陣取るようになっていた。 一度にもらえるだけもらっても構わないという長のお達しもあり、その手の個体は死ぬまでスイッチの上で飛び跳ねる。 こうしてこの頃になると列に並ぶゆっくりは片手の指で足りるほどになっていたのだが、この日は様子が違っていた。 いつもの面々に加えて、やけに悲愴な面持ちのゆっくりが混じっているのだ。 「おちびちゃんたち……かならずあまあまさんをもってかえるよ……」 これらは、この機械が原因で親を失い、孤ゆとなった子供たちを引き取ったゆっくりたちだった。 このゆっくりたち自身も子供を抱えており、そこに親類の子供を引き取ったため、餌がとても足りていない。 そのゆっくりできない毎日の慰めに少しでもと、あまあまの列に並んだのだ。 「ゆげえええええええええええええええええええええええええええええええ!!」 「ゆごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 結果は語るまでもない。 ゆっくりは子沢山だ、自身の子供に加えて親類の弧ゆまで引き取れば、10匹を超えるのが当たり前だ。 都合10匹以上もの子ゆっくりに行き渡るように、あまあまを用意しようとすればどうなるか。 こうして数日のうちに、善良だがあまあまの誘惑に抗えない個体が全滅することになる。 [14日後] 「どうだった、おさ?」 「だめね…みんなはなしをきいてくれないわ」 戻ってきた長や参謀、重鎮たちに声をかけたゆっくりたちは、長の返事にうつむいた。 長たちを待っていたのは、群れの弧ゆ院を担当するゆっくりたちだ。 群れの中で弧ゆが爆発的に増加し、弧ゆ院では育てきれなくなったのだ。 その弧ゆたち、総勢100匹あまり。 わずか2匹の弧ゆ院担当ゆっくりで賄いきれるはずもない。 弧ゆ院として用意された大きめな巣穴には収まりきらず、空き家となった巣のいくつかに分散して暮らしている。 それらの巣を順番に回り、世話をするのだが、とても足りない。 ぺーろぺーろでの身繕いは2,3日に1度が精一杯で、餌を届けるだけでほぼ1日が終わってしまうのだ。 その、餌の問題のほうが遥かに深刻だ。 2週間前、弧ゆ院の子供たちは10匹もいなかった。 それが、たったこれだけの間に群れの成ゆが半減し、弧ゆが10倍となる事態となったのだ。 単純に考えて、狩り手が半減したのだから、群れ全体の集める餌の量も半減している。 だが、すっきり制限のおかげで、孤ゆの数は幸い100匹で済んでいるとも言え、今なら群れ全体の協力で支えられないこともない。 しかし、長たちによる説得は失敗に終わった。 長たちの命令に従順な善良個体は、このときすでに全滅に近い状態だった。 残っているのは、ご褒美のあまあまに通い続ける極わずかな生き残りと、早々にあまあまを諦めた比較的頭の良い個体たちだ。 まず、あまあまに通い続ける個体たち。 これはダメだ、端から当てには出来ない。 すでに味覚があまあまで破壊されており、以前にはご馳走だったおはなさんやいもむしさんさえ受け付けなくなっているという。 また、あまあまへの中毒症状も出ており、性格も攻撃的になっていて、群れでの生活に支障が出ている。 数少ない例外が、あの最初に自分からあまあまを取りに行ったまりさだったが、先日とうとう永遠にゆっくりさせられてしまった。 彼女らがあまあまに通い続ける限り、いずれ同じように永遠にゆっくりしてしまうだろう。 そして比較的頭の良い個体たちだが、これらが実に始末が悪い。 そもそも彼女らがあまあまを諦めたのは、ゆっくりしていないゆっくりは永遠にゆっくりさせられる、という思い込みからだ。 つまり彼女らには、自分がゆっくりしていないゆっくりだという自覚が、多少なりともある。 自己中心的な、あからさまに言ってしまえばゲスの素養があるゆっくりだと、彼女らはこの時に自分で認めてしまったのだ。 それからというもの、彼女らは徹底的に保身に走っている。 今のこの現状を予測できたものも少なくないのだろう、彼女らは決して身内の弧ゆを引き取らず、自分の子供だけを養ってきた。 そしてまだ秋も始まったばかりだというのに、今冬篭りをはじめても十分なほどの食料を溜め込んでいた。 当然、その食料は長たちには秘密だ。 その上で、冬篭りが出来なくなると、弧ゆたちへの援助を求める長の要求を跳ね除けた。 「おさ、けつだんしないといけないわ」 「でも……でも、ぱちぇ!」 「むきゅ、わたしだってつらいわ。でも、このままだとみんな、ふゆをこせないわ」 参謀ぱちゅりーが長に迫っているのは、間引きだ。 今は長と参謀が弧ゆの世話を手伝い、重鎮たちが狩りに奔走することで辛うじて食い繋いでいる。 だが、冬に備えての蓄えとなると絶望的だ。 日ごろのわずかな備蓄自体、弧ゆの急増のために吐き出してしまったのだ。 参謀ぱちゅりーの言うこともわかる。 長ありすは群れの長の子として生まれ、先代の長ありすから徹底的に長の心構えを叩き込まれてきた。 その教えの中には、大を生かすために小を捨てるというものもある。 だが、長ありすにとっては群れのみんなは全て家族で、それを切り捨てることなど今まで考えたこともなかったのだ。 「…ひとつだけ、かんがえがあるわ」 声を上げたのは、群れのみんなにご褒美のあまあまに並ぶことを許したとき、ルールをひとつ加えた重鎮ぱちゅりーだった。 今ではあまあまに通うゆっくりが減ったため、監視もルールも無くなっていた。 が、次の参謀と目されている重鎮ぱちゅりーの発言に、皆が注目した。 「そ、そんなことできるわけないでしょおおおおおおおおおおおおお!?」 「ぱちゅりーのいってることがわからないよーーー!!」 「でも、ぱちゅりーにはこれくらいしか、みんながふゆをこせるほうほうはおもいつかないわ」 「ゆーーーーん……」 「……やるわ」 「おさ!?」 「みんながえいえんにゆっくりしないですむなら、それをやりましょう」 [15日目] 夜まで続いた会議の翌日、長ありすの群れから重鎮ちぇんが跳ねて行った。 向かう先は、神様のご褒美をはさんで群れの反対側、この森で2番目に大きい──今では最大の群れだ。 「ちぇんはとなりのむれのちぇんだよ! おさにあわせてほしいよ!」 その声に、この群れのゆっくりたちが集まってきた。 ちぇんを囲んで遠巻きに集まり、特に近寄って来ようとはしない。 ひそひそと何事か話しながら眺められることに居心地の悪さを感じながら待っていると、その壁を割って1匹のまりさが現れた。 「まりさのむれになんのようなのぜ?」 「ちぇんのおさから、おくりものをしにきたんだよー」 そのちぇんの言葉に長まりさが眉をひそめる。 隣の群れとは餌場を巡って対立することが多く、こんな贈り物の申し出など今までに無かったからだ。 「じつは、ちぇんのむれにたいへんなことがあったんだよー」 「たいへんなこと?」 ちぇんは参謀ぱちゅりーに教わったことを思い出しながら話していた。 曰く、隣の群れの長は疑い深いから、まずこちらの弱みを話して、それに対するお願いということにしろと。 そのためにみんなで考えた言葉を、長まりさの態度に注意しながら一つ一つ話していった。 「そうなんだよー。 はぐれれみりゃがやってきて、むれのみんながたくさん、えいえんにゆっくりしちゃったんだねー」 ここで長まりさがにやりと笑う。 隣の群れの勢いが弱まったのなら、この秋は餌場を拡大することが出来る。 今年の冬は楽に越せそうだ、と。 「それでおねがいがあるんだよー。 おとなのみんなはへっちゃったけど、こどもはたくさんいるからたいへんなんだねー。 だから、ちぇんたちのむーしゃむーしゃぽいんとにはこないでほしいよー」 「ゆ? それはできないそうだんなのぜ! まりさたちだって、ふゆさんをこすのはたいへんなのぜ! ごはんさんはあるところからとるんだぜ! ひつようだったらちからずくなのぜ!」 「ただとはいわないよー。そのためのおくりものなんだねー」 そのちぇんの台詞を長まりさが鼻で笑い飛ばす。 「ゆっはっは! おもしろいことをいうのぜ! ちぇんがどこにおくりものをもってるのか、まりささまにはみえないのぜ!」 「ここにはないんだよー。あんないするからついてきてほしいんだよー」 罠かもしれない、そう構えた長まりさだったが、道々ちぇんの話を聞くうちに、見るだけ見てみようという気持ちになった。 何でも、ゆっくりの神様がご褒美にくれたあまあまだという。 ただあまあまさんを出すだけでなく、時々罰があるというのが気に入らないが。 ともかく、本当にあまあまだったら、ちぇんたちの群れのいうことを聞いてやってもいい。 あまあまがあればゆっくり出来る、つらい冬篭りを楽しく過ごせるかもしれない。 「これなんだよー」 ちょうど、長ありすと長まりさのそれぞれの群れの真ん中辺りに、それはあった。 ここに置かれたのはお兄さんの計算ずくなのだが、それについては今は触れない。 銀色にぴかぴかしたそれは、普通の森の中にあるものではない。 長まりさが街に出たことがあれば、人間の実物などを見て、これが人間に関係するものと気付けたかもしれない。 だが、生まれてからずっとこの森で過ごしてきた長まりさには、この見たことの無いものが神様のものだと信じてしまった。 「こうするとあまあまさんがでてくるんだよー」 そう言ってちぇんが平らな部分に飛び乗ると、小さな丸いものが出てきた。 ちぇんはそれを長まりさの前においた。 「これがあまあまさんだよー。ぺーろぺーろしてみてほしいよー」 「ゆん、どれどれ。 ぺーろぺーろ……ししししあわせえええええええええええええええ!!!」 「むーしゃむーしゃすると、かたくてゆっくりできないんだよー。 おくちにいれてぺーろぺーろしてるといいんだよー」 「むぐむぐ、んぐ……ふぃあふぁふぇええええええええええええええええ!!!」 一心不乱にあまあまを食べる長まりさの反応に、ついて来た取り巻きたちが驚いている。 そして、自分も食べたいと、物欲しそうな顔を長まりさに向け始めた。 「ゆぐん、しあわせー!!だったのぜ!! みんなもたべるといいのぜ!!」 「ちょっとまってほしいよ!!」 長まりさの言葉で機械に取り付こうとしたゆっくりたちが、一斉に不機嫌な目をちぇんに向ける。 自分の言葉を止められた長まりさも同じだ。 だが、これは参謀ぱちゅりーに特に言われたことなので、ちぇんも言わないわけにはいかなかった。 「そのあまあまさんは、ときどきばつがあってえいえんにゆっくりすることがあるんだよ。 それはおぼえておいてほしいよー」 「それはさっききいたのぜ!」 「じゃあ、このあまあまさんはまりさたちのものなんだよー。 ちぇんたちのおねがいもきいてほしいよー」 「ああもうわかったのぜ! むーしゃむーしゃぽいんとはいまのままでいいのぜ! まりさたちはあまあまでいそがしいからさっさとかえるんだぜ!!」 「というかんじだったんだよー」 「むきゅ。ありがとう、ちぇん。おつかれさま」 群れに戻ってきたちぇんを出迎え、一通り話を聞いてから参謀ぱちゅりーはねぎらいの言葉をかけた。 隣の群れの長まりさの反応は、大体ぱちゅりーたちが予想したとおりだった。 「でも、わからないよー」 「どうしたの、ちぇん?」 「となりのおさは、こわいけどかしこいんだよー。ほんとうのことにきづくかもしれないんだよー。 ちぇんたちのむれにせめてこないか、しんぱいなんだよー」 ちぇんの心配とは、長ありすの群れが激減した原因がご褒美のあまあまだと、隣の群れに気付かれるかもしれないということだ。 そのときに罠にはめた報復をされるのでは、と恐れているのだ。 「むきゅ、それはしんぱいないとおもうわ」 「にゃ? どういうことなのかおしえてほしいよー」 「となりのおさがかしこいからよ」 [20日目] 長まりさは満足していた。 こんな素晴らしいあまあまをもらえるまりさは、きっと特別な存在なのだと感じていた。 隣の群れの後というのが気に入らないが、それも大したことではない。 どうせ隣の群れは、神様のご褒美を使いこなせなかったのだろう、その程度なのだ。 「ゆん! さっさとくるのぜ!」 「いやああああああぁぁぁぁぁぁぁ…」 長まりさと取り巻きたちに、1匹のありすが連れられてきた。 このありすは群れの掟を破って、群れ以外のゆっくりとすっきりしようとしたのだ。 「ごべんだざいぃぃ、もうじばぜんんん…ゆるじでぐだざいいいいぃぃぃぃぃぃ…」 この群れで罰を受けるということは、すなわち永遠にゆっくりするということだった。 そのため、ありすは自身の末路を悟りながらも命乞いを続けていた。 「ゆふん、まりささまのいうことがきけるなら、ゆるしてやってもいいのぜ!」 「ゆ?」 「まりささまがいいというまで、あそこではねることができたら、ついほうだけでゆるしてやるのぜ!」 「ゆぅ…もうすぐふゆさんがくるのに、ついほうされたらゆっくりできなくなっちゃうわ…」 「ゆあーん!? ばつをうけたいというなら、まりささまはかまわないんだぜ!!」 「ゆぴいいいいぃぃぃぃぃ!! やりばずうううぅぅ!! だがらだずげでぐだざいいいいいい!!」 長まりさに凄まれたありすは、泣きながらスイッチに飛び乗った。 何か出てきたが、今はそんなものを気にしている場合ではない。 こんなところで跳ねるだけで命が助かるなら、いくらでも跳ねる。 だからありすは長の合図も待たずに飛び跳ね始めた。 「ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! っゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 ありすが飛び跳ねていた場所は、ご褒美のスイッチの上だった。 長まりさは、群れの罪ゆっくりの処刑をここで行うことにしたのだ。 長まりさの群れでは恐怖政治が敷かれている。 群れの勃興期には見せしめの処刑を頻繁に行っていたが、それも群れの規模が大きくなりすぎた今では逆効果だった。 締め付けすぎると、その分反発も強力になるからだ。 そのため、処刑は取り巻きたちだけで密室で行っていたが、これがなかなかに手間がかかる。 動けない程度に痛めつけてから群れから離れた穴に閉じ込め、誰も助けに来ないように死ぬまで見張るのだ。 直接手を下してしまっては、死臭が体についてゆっくり出来なくなる。 だからこんな手順を踏んでいたが、面倒なので別の方法を考えていた。 そこに、神様のご褒美がやってきた。 罪ゆを簡単に処分できる上にあまあままでもらえる、まさに一石二鳥のご褒美だった。 中から出てきたあまあまは、1個ずつ取り巻きに分け、残りは長まりさの分となる。 初めての日に取り巻きが1匹、永遠にゆっくりしてしまったが、今となってはそれもいい教訓だ。 取り巻きの誰もがこのやり方に文句を言わず、1匹でこっそりあまあまを取りに来ようとすることもない。 群れの一般のゆっくりには、神様のご褒美のことは教えていない。 元々、特別なご馳走が手に入っても長まりさの総取りだったので、ちぇんの話をきいたゆっくりたちも気に留めていない。 知っている取り巻きたちは、今のやり方で十分に満足している。 長まりさも、全てがうまくいっていることに満足だった。 だから長まりさは気付かなかった。 あまあま欲しさに微罪で罰せられるゆっくりが増えていたことに。 物陰で様子を伺っている視線があることに。 「…ゆ、いったよ」 物陰の視線は、長ありすの群れの重鎮まりさだった。 その後ろには重鎮みょんと重鎮ちぇんの姿もある。 3匹の視線の先には、隣の群れの長まりさ一行がいる。 あまあまを手にして帰っていくところで、もう少し待つと完全に見えなくなった。 茂みの陰から姿を現した3匹は、それぞれ朴の木の落ち葉をくわえている。 向かった先は処刑されたありすの死骸。 持ってきた落ち葉をその隣に重ねると、ありすの死骸を落ち葉の上に乗せた。 「じゃあ、さいしょはまりさとみょんがはこぶよ」 「わかったみょん」 「ちぇんはみちをみるんだね。わかるよー」 そうして3匹は、ありすの死骸を運んでいった。 弧ゆたちの食料にするためだ。 当然、同属食いの禁忌はこの群れの中にもある。 だが、何にでも例外はある。 過去に群れが飢餓に陥ったとき、餓死した仲間の死骸を食らって生き延び、そこから再興して今の群れがある。 長も参謀も重鎮たちも、そのことは代々引き継ぎ、群れの歴史として知っているのだ。 だから重鎮ぱちゅりーは、この非常時を乗り切るために提案したのだ。 群れの中から死骸を出すのは抵抗があるし、何よりこれ以上の死ゆは出したくない。 ならば、他の群れから死骸を調達すればよいのでは? さすがに死骸をくれなどと真正直に話しては、群れ全体がゆっくり出来ないとして敬遠されてしまう。 だから、神様のご褒美を隣の群れに送ったのだ。 きっと隣の群れでもあまあまに目がくらんで、死ゆを出してでも手に入れようとするだろう。 その死骸を、こっそり頂戴するわけだ。 惨めだなどと嘆いている場合ではない、100匹もの弧ゆの命がかかっているのだ。 もちろん同属1体分のあまあまなど、100匹の弧ゆの前には焼け石に水だ。 なので、これは普段なら食べないような美味しくない草さんに混ぜて出される。 これは不要に舌を肥えさせないためでもあるが、死骸を死骸と思わせないための処理と、少ない餌を可能な限り補うことも兼ねている。 今も他の重鎮たちが、手伝ってくれない群れの仲間の代わりに、必死になって狩りをしているのだ。 正直なところ、このままではまともに冬を越せる個体は少ないだろう。 それでも、まともな成ゆが壊滅状態の長ありすの群れでは、次代のために弧ゆたちの命を諦めるわけにはいかないのだった。 [25日目] 「ゆっくりできないおさはでていってね!」 「ゆっくりできないおさはでていってね!」 長ありすは窮地に陥っていた。 群れのゆっくりに、死骸を集めていることを知られてしまったのだ。 群れで生き残った頭の良いのゆっくりたちは、豊かな餌場を少ないゆっくりで独占しているうちに、完全にゲスとなっていた。 冬の蓄えをたっぷりと溜め込んだ上での日々のたっぷりの餌に、我慢することをどんどん忘れていった。 また、長たちも弧ゆのために日々奔走しており、誰もそれを正すことが無かった。 そしてある日、あるゆっくりが、長たちが何か隠していることに気付いた。 思えばあれほどの数の弧ゆが、誰も永遠にゆっくりすることなく育っている。 長たちはとてもゆっくりした餌場を、自分たちに秘密にしているのでは? そう勘繰ったのだ。 そして、見たものは死骸をあさる重鎮たち。 ゆっくりを食べるゆっくりはゲスだ、ゆっくりしていない。 だからあの弧ゆたちは全部ゲスだ。 ゲスを育てる長たちもゲスだ。 ゲスは群れにいらない、出て行け。 そういうことだ。 長たちはぱちゅりー種まで含めても10匹ほどで、弧ゆたちのための重労働で疲れきり、栄養状態も悪い。 対して群れのゆっくりは、ぱちゅりー種を除いても20匹あまりで、長たちより一回りも大きいほど肥えていた。 群れのゆっくりの子ゆまで含めれば数は圧倒的で、一斉に襲い掛かられては弧ゆも含めて全滅は必至だった。 「…いきましょう、おさ」 「ゆぐっ…ゆうううぅぅぅぅぅぅ……」 父祖の地を追われる長の心境、如何ばかりか。 長ありす以下、重鎮・弧ゆを合わせて総勢100匹以上。 この日、あても無く群れを去っていった。 [27日目] 「どういうことなんだぜえええええええええええ!?」 神様のご褒美の前で、隣の群れの長まりさが激昂していた。 罪ゆを処刑したのに、あまあまが出てこないのだ。 何かの間違いと思った長まりさは、立て続けに3匹を処刑した。 だが、あまあまは全く出てこなかった。 この日、ついに機械の中の飴玉が尽きたのだ。 「どういうことなの、おさ!」 「ありすもあまあまさんがほしいわ!」 取り巻きたちが騒いでいるが、無いものはどうしようもない。 長の巣にためてあるあまあまを使うか? いや、あれはダメだ、あれは冬篭りの間に長のかわいいおちびちゃんたちが食べるのだ。 だが、このままでは取り巻きたちの収まりが付かない。 どうすれば。 「…となりのむれがわるいんだぜ!!」 「「「ゆ!?」」」 短い時間で必死に考え、長は隣の群れに転嫁することを選んだ。 「このごほうびは、さいしょとなりのむれがつかっていたのぜ!! やつらがつかわなければ、あまあまがでなくなったりしなかったはずなのぜ!」 「ゆーん、そういうものなのかしら?」 「そうにきまってるのぜ! となりのむれがまりささまたちのぶんのあまあまをたべたのがわるいんだぜ!!」 「ゆ、なんだかそんなきがするよ!!」 「だからとなりのむれをせいさいしにいくんだぜ!!」 「「「ゆ゛!!?」」」 勢いに乗りすぎた長まりさがとんでもないことを言い出した。 今まで隣の群れとは小競り合いはあっても、全面戦争にまで発展したことは無い。 長まりさの周りで安穏と暮らしていた取り巻きたちは、自分に危害が及ぶようなことを経験したことが無い。 だから、自分が死ぬことがあるかもしれない事態に驚いた。 「お、おさ! れいむはあまあまさんはいらないから、せいさいはかんがえなおしてほしいよ!」 「ゆぁーーーん!? れいむはとなりのむれのすぱいなのかぜ!?」 「ぢぢぢぢがうでじょおおおおおおお!? せいさいはれいむがゆっくりできないからやりたくないよおおおおお!!」 「うるさいうるさい!! やるといったらまりささまはやるのぜ!! げすのむれはねだやしにするのぜ!! いますぐもどってせんそうのじゅんびをするのぜ!!」 踵を返して群れに戻ろうとする長まりさの後姿を、取り巻きたちは暗澹たる思いで見ていた。 元々取り巻きたちは、長の周りで調子のいいことを言っているだけでゆっくりできるので、そうしていただけだ。 それが、本当に戦争になってしまったらゆっくりどころではない。 実際には元長ありすの群れはすでに群れとして機能していないので、一方的な蹂躙で終わるだろうが、それを長まりさの群れが知る由は無い。 どうやって群れから逃げ出そうか、何を持って逃げ出そうか、どこへ逃げていこうか。 顔を真っ赤にした長の後ろで取り巻きたちが顔を青くしているとき。 「まつんだよ!!」 「ゆぅーーーん?」 長まりさ一行の前に、1匹のゆっくりが立ちふさがった。 厳しい目をした、長とは別の若いまりさだった。 「どうしてかってにこんなところにくるのぜ! せいさいされたくなかったらさっさとむれにかえるんだぜ!!」 「まりさはしっているよ! おさたちがここで、みんなをあまあまにかえていたことを!」 「それがどうしたのぜ! ざいゆっくりはせいさいされてとうぜんなのぜ!! ついでにあまあまがでてきても、かんけいないのぜ!!」 「じゃあ、きょうえいえんにゆっくりしたありすはなにをしたの!? きのうえいえんにゆっくりしたれいむは!? そのまえのぱちゅりーは!?」 「ゆぎっ!?」 長まりさは咄嗟の言葉に詰まった。 ここ数日はあまあま欲しさに、ほとんど言いがかりで罪ゆを仕立て上げていたからだ。 「ぱちゅりーはまりさのおかあさんだったよ! とってもかしこくてゆっくりしたおかあさんだったよ! れいむはまりさのいいなずけだったよ! とってもやさしくてゆっくりしたれいむだったよ! ありすだって……それを…それををををををををををを!!」 「ゆがああああああああああああああああああ!! うるさいうるさい!! まりささまはおさなのぜ!! えらいのぜ!! おさにさからうげすはしねええええええええええええ!!」 言うが早いか、長まりさが目の前の若まりさに飛び掛る。 だが、若まりさはそれを冷静に避けると声を上げた。 「いまだよ!」 「ゆん!?」 長まりさは横から飛び出してきた影に気付いた。 気付いたが、そこまでだった。 「ゆっくりしねみょん!!」 ざくっ 「ゆっぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 横の木陰に潜んでいたみょんが口にした木の枝で、長まりさは貫かれた。 「ゆばあああああああああああ!! だれがばりざざばをだずげろおおおおおおおおおおお!!」 「むりだよ」 「ゆ!? ゆびゃあああああああああああああ!! いぢゃいいぢゃい!! おずなあああああああああああ!!」 枝に貫かれたままの体を若まりさに押され、長まりさは悲鳴を上げる。 そうして無理矢理後ろを向かされて、目に入ったのは木の枝で武装したゆっくりに囲まれた取り巻きたちだった。 「だ…だずげで……おざ…」 「ゆああああああああああああああああ!! おばえらがばりざざばをだずげるんでじょおおおおおおお!? ばがなの!? じぬの!?」 「しぬのはおまえだよ」 「ゆ゛っ!?」 若まりさは長まりさから枝を引き抜くと、長まりさの上に飛び乗った。 「ゆぴゃあああああああああああああああああああああ!! でぢゃう!! あんごでぢゃう!! やべで!! だずげでええええええええ!!」 「いのちごいなんてきかないよ」 「どぼぢで!?」 「どうしてそんなこときくの? ばかなの? しぬの?」 「ばりざはばがじゃな……ゆぎょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 若まりさは何度も長まりさの上で飛び跳ね、念入りに押し潰していった。 やがて長まりさの声が聞こえなくなり、目玉も潰れて真っ平らになり、土に混じって原形を留めなくなるまで、何度も、何度も。 「おまえたちはむれにつれてかえるよ」 「おでがい…いのぢだげば……」 「おまえたちのしょけいは、むれのみんなでするよ」 「「「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」 [30日後] 隣の群れあたらしい長となった若まりさは、長ありすが統治していた群れを訪れた。 長まりさの苛烈な統治で半減してしまった群れの安堵を担保するために、平和条約を結ぶためだ。 そして、隣の群れの現状を見て愕然とした。 これ程広大なゆっくりぷれいすに、いるのはわずかに十数の家族だけで、その誰も彼もがゲスだった。 聞けば、長たちはゲスが追い出したという。 賢く立派な長がいると評判で、いつか移り住みたいと思っていた若まりさの理想郷の、現実がこれだった。 ゆっくりの群れなんて、どこもこうなのかもしれない。 長まりさに家族の全てを奪われた若まりさは、復讐を終え、理想の結末を見、全てが空しくなった。 こうして、隣の群れはわずか3日で新しい長を失った。 この後、統率を失ったゆっくりたちが餌場を巡って散発的に争っていたが、やがて来た冬が全てを雪の白の下に包み隠してしまった。 いずれ来る春に新しい秩序が生まれるかは、その時にならないとわからない。 [後日] 「いや、なかなかドラマチックだったね」 観察記録の編集を終えた俺は、ため息混じりにつぶやいた。 もちろん、満足満腹のため息だ。 2つの群れの中央に機械を置いたのは、機械を巡って群れ同士が醜い争いでもしてくれないかと期待してのことだった。 だが、現実は俺の予想をはるかに超えて劇的だった。 こんなおもしろいものを俺一人で見るのはつまらない。 最近、愛で兄が虐待に目覚めたので、これを見せて反応を見てみよう。 愛でと虐、どちらに振れるかはわからないが、どっちにしても面白いだろう。 面白いといえば。 モニタの画像を切り替える。 赤外線カメラの白黒画像に映っているのは、長ありすとその御一行様だ。 裏手の広大な森は、人里近いにもかかわらず純野生種に極めて近いゆっくりを観察できる、貴重な土地だ。 そこであれほど大きな群れを維持できた長ありすを使い捨てるのはもったいない。 以前別の実験のために誰も住まなくなってしまったゆっくりぷれいすに、人間の仕業と気付かれないように誘導したのだ。 長ありすたちは、かつて熊の巣穴だった場所で冬篭りをしている。 かつての主は、猟友会の手にかかってすでにこの世にはいない。 巣穴の置くにはたっぷりの餌が溜め込んである。 数年は放置されていたゆっくりぷれいすなので、餌だけはたっぷりと集めることができたのだ。 当然、それだけでは100匹以上の群れを維持できない。 なので、森に仕掛けたあれこれの罠を使い、適正と思える数にまで俺が間引いた。 新作の罠の動作確認にもなり、一石二鳥だった。 長たち大人のゆっくりの輪の中で、30匹ほどの子ゆっくりが眠っている。 全てが冬を越せないとしても、これだけの数がいれば、春には新しい群れとして機能し始めるだろう。 その新しい群れは、一体どんなドラマを見せてくれるのだろう。 来るべきその時のために、新作の開発に余念は無い。 (完) 作者:元ネタ → 「98%の確率でお金がもらえるが、2%で死ぬボタン」 (記事:ttp //internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/20090916_315857.html) 作者は898万円で死にました。 by (め)の人 想定以上に長くなったので、せっかくなので拙作一覧もつけておきますね。 ふたば系ゆっくりいじめ 166 ゆっくり繁殖していってね! ふたば系ゆっくりいじめ 179 にんげんさんはゆっくりできない ふたば系ゆっくりいじめ 203 まりさのだいじな ふたば系ゆっくりいじめ 207 ゆっくりせいいをみせてね! ふたば系ゆっくりいじめ 215 ゆっくりほいほい ふたば系ゆっくりいじめ 219 ゆっくりアップダウン ふたば系ゆっくりいじめ 244 ぽんぽんいたいよ ふたば系ゆっくりいじめ 251 ゆゾンデートル ふたば系ゆっくりいじめ 255 れいむのラッキーライフ ふたば系ゆっくりいじめ 259 れいむのアンラッキーライフ ふたば系ゆっくりいじめ 262 目と目で通じあう ふたば系ゆっくりいじめ 269 約束しよう ふたば系ゆっくりいじめ 278 れいむの性格改善教室 めーりんあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 最高の作品の1つに出会えた -- 2012-11-19 01 41 10 俺1億5000万超えた! -- 2011-05-30 20 15 12 物語性が素晴らしいなぁ。 仕掛けも良いが、その後のゆっくり達の考えも素晴らしい -- 2010-10-03 22 05 02 すごく完成度が高くてゆっくりできたよ! こういう読み応えがある作品はうれしいね! -- 2010-07-31 09 05 47 面白かった! こういうのを読みたかった -- 2010-07-11 12 10 34 フォローは『あの向こうへ』をどうぞ -- 2010-03-07 02 18 18
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『白蓮のゆっくりいじめ』 22KB いじめ 制裁 自業自得 駆除 群れ ドスまりさ 幻想郷 独自設定 白蓮は可愛い 東方キャラ登場、ついでにキャラ崩壊してます 原作で使用したスペルも出てきます ゆっくりというかドスいじめがメイン ドスはドススパークのチャージ中でも何故か喋れます 人間にも妖怪にも平等に接する聖白蓮。 そんな彼女が唯一あからさまに差別するモノがいた。 「やめてくださいぃぃぃ!!ばでぃざをゆるしてほしいのぜぇぇぇ!!」 白蓮に追い詰められおそろしーしーを漏らすまりさ。 その周りには無数のゆっくりの死骸。 まりさは群れの長だった。 だが残っているのは自分だけ。 何故こんなことになったのか。 自分の群れはとてもゆっくりしていたのに。 「最後にもう一度聞きます、どうしてこういう目に遭うのか分かりますか?」 「わがるわげないでしょぉぉぉ!?ばでぃざたちはなにもわるくないのにぃぃぃぃ!」 「皆さんが丹精込めて育てた野菜を奪った、勝手なおうち宣言をした、それでも悪くないと?」 「それのどこがわるいことなんだぁぁぁぁ!おやさいやおうちをひとりじめしてるのはそっちだろぉぉ!」 「やはりゆっくりとは誠に愚かで自分勝手であるッ!南無三!!」 白蓮は蔑んだ目でまりさを睨むと最後の一撃を見舞った。 「ぶげぇ!!」 まりさの体はその衝撃に耐え切れず破裂した。 「これで人里の皆さんも安心して生活できるでしょう」 この群れは度々人里に迷惑を掛けるゲスゆっくりの群れだった。 その噂を聞きつけた白蓮が一人で群れを壊滅させたのである。 「しかし本当に愚かな饅頭ですね、昔はこれほど愚かなモノは存在しなかったというのに……」 そう吐き捨てる白蓮。 だが白蓮がゆっくりをこのように扱うようになったのはつい最近である。 以前はゆっくりも人間や妖怪と同様に平等に扱った。 だが数日前に事件は起きる。 「ここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!」 「さっさとでていってね!」 「ぷきゅー!」 「しぇいしゃいされたくなきゃったらあみゃあみゃよこしちぇにぇ!」 無謀にも命蓮寺にやってきたれいむとまりさの親子がおうち宣言をかました。 村紗や星など命蓮寺の面々は即刻潰そうとしたが白蓮がそれを制した。 ゆっくりとて命を粗末に扱ってはいけないと。 だがせっかく助かった命を投げ捨てるのはゆっくりの得意技である。 優しく自分達に接する白蓮を奴隷と認識したゆっくり家族は禁句を言ってしまった。 「くそばばあはさっさとあまあまもってきてね!」 「くそばばあ!まりささまがどれいにしてやるのぜ!こうえいにおもうのぜ!」 「「うしゅのろびゃびゃあ!しゃっしゃとはたらいちぇにぇ!」」 ビキィ!! その場の空気が一瞬で凍った。 ついでに白蓮の笑顔も。 「そ……総員退避!!」 村紗の声で命蓮寺の面々は一瞬でその場から逃げ出した。 その直後 カァ!!! 激しい閃光と共に命蓮寺はこの世から消滅した。 「……」 その爆心地で白蓮は一匹のゆっくりれいむを掴んで立っていた。 そのれいむは既に死んでおり短時間ながらも想像を絶する苦しみを味わった事がその表情から見てとれた。 それ以外のゆっくりは見当たらない。 完全に消し飛んだのだろう、お飾りの残骸すらも残っていなかった。 グシャ 白蓮は掴んでいたれいむを握り潰すとれいむは灰となって消えた。 「村紗……」 「はい!?」 爆発に巻き込まれ辺りに転がる命蓮寺の面々、偶然白蓮の正面に倒れていた村紗は白蓮の声にビクっとその身を震わせる。 「私が間違っていました……この世にはどうしようもないゲスが存在するという事を……」 「聖……?」 「そのようなゲスにいくら教えを説いても無駄だという事を」 「そ、そうですね……」 「ゲスにはそれ相応の罰を与えねばなりません、分かりますね?」 「はい!分かります!」 「ふふっ、これから楽しくなりそうです」 その時の白蓮の笑顔を村紗は一生忘れる事はないだろう。 それからだ、白蓮が積極的にゆっくりに罰を与えるようになったのは。 「ただいま帰りました」 「聖、お帰りなさい、駆除はどうでした?」 「ええ、一匹残らず殲滅しました、人里の皆さんも喜んでくれてましたよ」 「そ、それはよかったですね」 「ええ」 現在命蓮寺は再建中だが住むには十分だった。 村紗達の必死の働きもあるがお人よしの鬼が手伝ってくれたのも大きいだろう。 「聖、一仕事して疲れたでしょう、お菓子でもどうですか?」 「ありがとう村紗、いただきますね」 村紗が用意したのは饅頭だった。 「ゆっ ゆっ ゆっ 」 「やめ……しにたく……」 「ゆっきゅり……しゃしぇちぇ……」 「ころちてにぇ……もうやじゃ……」 その饅頭は皆細かく痙攣し何か喋っているようだ。 大きい饅頭と小さい饅頭が入っているが飾りも髪も無いので判別がつかない。 「ふふ、美味しそうですね」 白蓮は用意されていた爪楊枝を小さい饅頭に突き刺した。 「ゆぴぃぃぃぃぃぃ!?」 「お……おちびちゃ……」 「やめちぇ……いもうちょを……いじめないでにぇ……」 だが白蓮はそんな声など聞こえないのかそれともあえてスルーしてるのか何度も小さい饅頭に爪楊枝を突き刺す。 頭、目、口、あにゃる、まむまむなど様々な場所を刺しまくった。 やがてその動きが遅くなっていき声も小さくなる。 頃合だろうと判断した白蓮はその小さい饅頭に噛り付いた。 「ぎゅっぴぇぇぇぇぇ!?」 その絶叫に満足そうな表情を浮かべる白蓮。 少しずつ食われていく饅頭はその苦痛でどんどん甘みを増していく。 「やめ……おちび……たべ……」 「もう……やじゃ……おうち……」 他の饅頭の様子も楽しみつつ白蓮は小さい饅頭の味を楽しんだ。 「ふふっ、とても美味しいですね」 「ありがとうございます、そういってくれると作った甲斐がありますよ」 「あら、これは村紗が作ったの?」 「捕まえてきたのはナズーリンですけどね」 「やはり手作りはいいものですね」 「ええ、全くです」 「「ふふふふ」」 不気味な笑みを浮かべる2人。 その2人を怯えた表情で見つめる大小の饅頭。 そんな時だ。 「聖、人里で非常事態が」 「どうしました?星」 突然やってきた星の言葉で真剣な表情になる白蓮と村紗。 「どうやらドスの群れが人里にやってきて協定を結べと要求しているようです」 「すぐに出発します!行きますよ村紗!」 「はい!」 その言葉に安心する饅頭。 よく分からないがこいつらはどこかへ出かけるようだ。 その間に逃げられる。 そう思った饅頭だったが…… 「それからこのお饅頭はナズーリンとその配下のネズミにプレゼントしてあげなさい」 「はい」 その言葉を聞いた饅頭達は絶望の表情になった。 その表情に満足すると白蓮は村紗と星を連れて人里へ飛び立った。 「はやくしないとドススパークをうつのぜ!」 人里ではドスまりさが人間を威嚇していた。 「まあまあ、今一番偉い人を呼びに行ってるからもう少し待っててよ」 「ゆふん!しかたないのぜ!そのかわりたくさんおやさいをよこすのぜ!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 人間も手馴れたものでドスを適当にあしらっていた。 「ゆぁぁぁん!?なんなのぜぇ!?そのたいどはぁ?!」 「まあおちつけよ、じゃないとゆっくりしてないゆっくりになるよ?」 「ドスはさいこうにゆっくりしてるのぜぇぇぇ!おかしなことをいうんじゃないのぜぇぇぇ!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 「ゆぎぎぎぎぎ!!」 「おーい!白蓮様が来てくださったぞー!」 「お、いよいよか、おい!これでてめぇら糞饅頭は終わりだ!覚悟するんだな!」 「ゆ!?なにをいってるのぜぇぇ!?しにたいのかだぜぇぇぇ!?」 「覚悟するのはあなたです」 「ゆ!?」 人間の言葉にドスがキレそうになった時、ドスの前に白蓮達が降り立った。 「おまえたちはだれなんだぜ!?」 「あんた達を始末する者よ」 「覚悟しなさい」 村紗と星が戦闘態勢に移る。 その様子を見たドスは大笑いした。 「ゆひゃひゃひゃひゃ!にんげんごときでこのドスにかてるとほんきでおもってるのかだぜ!?おわらいなのぜ!」 「あなたこそ少しは身の程を知ったらいかがです?ドゲス饅頭さん」 「ドスはまんじゅうじゃないのぜぇぇぇ!もうあやまってもゆるさないのぜぇぇぇ!」 「いいですよ、私もあなた達を許すつもりはありませんし」 「にんげんごときがぁぁぁぁ!こうかいさせてやるのぜぇぇぇ!」 「村紗、星、あなた達はドス以外のゆっくりの相手をお願いします、このドスは私が」 白蓮の言葉に2人は頷くと即座に行動を起こした。 そう、虐殺を開始した。 「やめてぇぇぇ!ころさないでぇぇぇ!」 「ドスぅぅぅぅぅ!たすけてぇぇぇぇ!!」 「おちびちゃんだけはぁぁぁぁ!!おちびちゃんだけはゆるしてぇぇぇ!」 「まりさはにげるのぜぇぇぇ!どぼじでにげられないのぉぉぉ!?」 「こんなのとかいはじゃないわぁぁぁ!!」 「むっぎゅぅぅぅぅ!?エレエレエレ!」 周辺は白蓮が張った結界により逃走不可能になっていた。 見えない壁に跳ね返されパニック状態の群れのゆっくり。 そんなゆっくりを容赦なく虐殺していく2人。 元々2人はゆっくりに対しあまり良い印象を持っていなかったのでゆっくりを殺す事にためらいは無かった。 それどころか今では白蓮のお墨付きも貰えて毎日駆除という名の虐待を楽しんでいる。 もちろん他のメンバーも同様だ。 「やめろぉぉぉ!!ドスのむれのみんなにてをだすなぁぁぁ!」 呆然と虐殺を見ていたドスだったがようやく正気を取り戻し動き出そうとするが…… 「あなたの相手は私ですよ?ドゲス饅頭さん」 「ゆぐ!?」 いつの間にか白蓮がドスの隣に立ってドスの頬をペシペシ叩いている。 「きたないてでドスにさわるなぁぁぁ!!」 痛くはないが人間如きに触れられた事でドスのプライドが傷ついたらしい。 ドスは体を捻り自慢のおさげで白蓮を殴った! 「よっと」 「ゆぐぅ!?」 普通の人間なら巨大なドスのおさげで殴られればそれなりに痛い。 あくまで普通の人間なら。 白蓮は普通ではないので当然こんな攻撃は通じない。 白蓮は難なくドスのおさげを掴んだ。 「きたないてでドスのすてきなおさげさんをつかむんじゃないのぜぇぇぇ!」 「あなたはさっきから同じような事しか喋りませんね」 白蓮は無造作にドスのおさげを引き抜いた。 特に理由など無い。 ただ何となく引き抜いただけだ。 「ど、ドスのすてきできれいでかっこよくてぷりちーでちゃーみんぐでえきさいてぃんぐなおさげさんがぁぁぁ!?」 「あら、ごめんなさい、こんなに簡単に抜けるとは思ってなかったので」 自慢のおさげを失った事がよほどショックなのだろう。 素敵やら綺麗やらとしつこく自分の飾りを自画自賛するドス。 「これのどこが素敵なのか私には分かりかねますね、価値観の違いでしょうか?」 白蓮は引き抜いたおさげを魔力で蒸発させた。 「あ、あああああああ!?ドスのうつくしくてせかいにひかりをともすかがやきをはなつおさげさんがぁぁぁ!?」 「ぷっ!あ、ごめんなさいね、そのジョークが面白くてつい……ぷぷっ!」 「ゆぐ!?このゲスがぁぁぁ!ゆっくりしねぇぇぇ!」 おさげを奪った事もだが自分がバカにされた事が一番許せないドスは白蓮を押し潰すべく大きく跳ねた。 「そのままつぶれてしまえぇぇぇ!」 その巨体と体重を利用した攻撃で白蓮は潰れ…… 「……な訳ありません」 「ゆぐぅ!?」 白蓮は軽々とドスの巨体を腕一本で支えていた。 「どぼじでつぶれないのぉぉぉ!?」 「さあ?あなたが弱いからではないですか?」 「ふざけるなぁぁぁ!ドスはさいきょうなんだぁぁぁ!」 「その最強のドスさんが何故このような無様な醜態を晒しているのですか?」 「これはなにかのまちがいだぁぁぁ!ドスはみとめないのぜぇぇぇ!」 「そうですか、まああなたが認めようが認めまいがやる事は変わりません」 「ゆ!?」 白蓮はポイっとドスを放り投げた。 いきなり解放され困惑するドスだがチャンスと見て再び白蓮に襲い掛かる。 「ドスのじまんのたいあたりをくらうのぜぇぇぇ!」 「攻撃が単調すぎますね、所詮ゆっくりなどこの程度でしょうが」 ドスは何度も白蓮に体当たりをかますがまるで効いていない。 白蓮を吹っ飛ばす事も転倒させる事も出来なかった。 白蓮はただにこやかな表情でその場に立ったままだ。 「どぼじでドスのじまんのたいあたりがきかないのぜぇぇぇ!?」 「え?これ、攻撃のつもりだったんですか?ごめんなさい、てっきりすりすりしてるものとばかり思ってました」 「ゆっがぁぁぁ!バカにするなぁぁぁ!いたがれぇぇぇ!やせがまんするなぁぁぁ!ふっとべぇぇぇ!なきさけべぇぇぇ!」 白蓮は身体能力を上げる魔法を得意とする。 その魔法によって今の白蓮の体は鋼のようになっているのだ。 ドスとはいえ所詮ゆっくりの攻撃でダメージなど受けるはずがない。 「もう満足しました?ではそろそろこちらからも攻撃しますよ?」 「ゆっぐ……こんなの……ドスは……みとめないのぜ……さいきょうのドスは……むてきなのぜ……」 体力の大半を使い果たし息を切らすドスに白蓮はゆっくり近づいた。 「ゆ……?ぶごぉぉぉぉぉぉ!?」 ドスが目の前に白蓮が立っている事に気づいた瞬間、顔面に凄まじい衝撃を受けた。 魔法で腕力を強化した白蓮が手加減してドスをぶん殴ったのだ。 ゴロゴロ転がるドスだが近くの岩に激突してようやく動きを止めた。 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!ドスのうつくしいかおがぁぁぁぁぁ!!」 ドスは群れ一番の美ゆっくりと思っていたので自分の美しさに自信があった。 素敵な帽子、可愛いおさげ、サラサラの金髪、そして世の中全てのゆっくりを幸せにする凛々しい顔。 その顔が白蓮の一撃でぐしゃりと潰れ醜くなっていた。 だがそれだけではなかった。 「ゆあぁぁぁぁ!?ドスのつぶらなおべべがかたほうみえないのぜぇぇぇ!?」 白蓮の一撃はあまりに重く、その衝撃でドスの片目を破裂させていた。 失明したショックも大きいがドスは自分の瞳にも絶対の自信があった。 「すべてをみとおすドスのせんりがんがぁぁぁ!すべてのゆっくりをみりょうするつみぶかいおべべがぁぁぁ!」 ある時は未来すら見通し、またある時はそのつぶらな瞳でこれまで多くのゆっくりを魅了してきた。 その自慢の目を片方損失したのだ。 ドスの悲しみは想像を絶するものだろう。 「いちいちそのように自画自賛するのはやめましょう、自分が惨めになるだけですよ」 白蓮が呆れながらドスに忠告する。 そんな白蓮をドスは残った片目でギロリと睨んだ。 その目は憎悪に染まっている。 「ゆるさない……ぜったいゆるさないのぜぇぇぇ!!おまえだけはぁぁぁ!!ぜったいころすぅぅぅ!!」 「御託はいいですからさっさと掛かってきてください、それとも私から行きましょうか?」 「いちいちむかつくやつなのぜぇぇぇ!そのへらずぐちをいますぐけしてやるぅぅぅ!」 ドスは大きく口を開けてチャージを開始した。 「ドススパークですか、ワンパターンですね、まああなたにはそれしか残ってませんから仕方ありません」 「このくそにんげんがぁぁぁ!まってろぉぉぉ!すぐにけしてやるのぜぇぇぇ!」 「……」 白蓮は思った。 確かにドススパークはそこそこ強力だ。 ゆっくりや普通の人間限定ではあるが。 だがあまりにチャージが長すぎる。 あれでは技としては使えない。 自分の魔法にも多少のチャージが必要なものはあるがそれも数秒程度だ。 だがドスはどうだ。 既に30秒ほど経っているが未だチャージは続いている。 一応チャージなしですぐに撃てるようだがその威力は悲しいくらいに低い。 あくまで最大チャージでなければ満足な威力を発揮できないのだ。 「よく今までそんな弱点だらけの技で生き残ってこれましたね、よほど運がよかったのか、それとも……」 「だまるのぜ!ドスはさいきょうなのぜ!それをすぐにしょうめいするのぜ!」 ドスの言うすぐとはいつになるのだろうか。 「まあせっかくですから待っててあげますよ、ゆっくりしていってくださいね♪」 「ゆぎぎぎぎぎ!ドスをこれほどまでにぐろうしたやつはおまえがはじめてなのぜ!らくにしねるとおもうなぁぁぁ!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 「この……っ!ならドスのきゅうきょくのわざをおみまいするのぜぇぇぇ!」 「究極?なんですか?それは?」 「ゆっふっふっふっ!それはドススパークをさらにパワーアップさせたファイナルドススパークなのぜ!」 「ファイナルが付いただけじゃないですか、それのどこが究極なんです?」 「めいどのみやげにおしえてやるのぜ!このわざはなんとドススパークのすうばいのいりょくがあるのぜ!」 「あら、それは凄いですね」 「いまさらこうかいしてもおそいのぜ!すでにファイナルドススパークのチャージにはいったのぜ!」 「……と、いう事はまだまだチャージが続くんですか?」 「す、すぐチャージもおわるのぜ!そこでねんぶつでもとなえてるがいいのぜ!」 先ほどファイナルドススパークのチャージに入ったと言っていた。 という事は通常のドススパークの数倍のチャージが必要だという事だ。 ドススパークのチャージに大体40秒、その数倍となると2分くらいか? 白蓮は思った。 このドスは本当に幸運に恵まれたゆっくりではないか? こんなアホな技を使って生き残れるなんてゆっくりの世界というのはある意味楽園なのかもしれない。 「しかし退屈ですね」 暇つぶしにチャージ中のドスの髪の毛でも抜いてようかなと思ったその時だ。 「あら?」 森の方向から無数のゆっくりの声が近づいてくる。 やがてその姿を現した。 それはドスを中心としたゆっくりの群れだった。 「ドスおねえちゃん!またせたのぜ!」 「ゆゆ!まってたのぜ!わがいもうと!」 「ゆゆ!?ドスおねえちゃん!そのすがたはどうしたのぜ!?」 「あのにんげんにやられたのぜ!でもいまからドスのさいきょうのわざでしょうめつさせるところなのぜ!」 「ゆゆ!ファイナルドススパークだね!あのにんげんもばかなのぜ!ドスおねえちゃんをおこらせたのがうんのつきなのぜ!」 「でももうちょっとチャージがひつようなのぜ!」 「ならドスがそのあいだにあのにんげんとあそぶのぜ!いいのぜ?」 「いいのぜ!でもころしちゃだめなのぜ!とどめはファイナルドススパークできめるのぜ!」 「ゆっくりりかいしたのぜ!」 そうして今度は妹ドスの群れが白蓮の前に立ちはだかった。 「あなたとそのドスの関係は大体分かりますが……あなた達は姉妹ですか?」 「そうなのぜ!それぞれべつのむれのおさとしてくんりんしてたのぜ!」 「で、ここに来た理由は?」 「おねえちゃんがにんげんときょうていをむすぶときいてドスもおうえんにかけつけたのぜ!」 「では遠慮なく始末しましょう、暇つぶしも兼ねて」 「ゆ?ゆひゃひゃひゃひゃ!にんげんごときがこのかずをあいてにできるはずないのぜ!」 「でもあなたのお姉さんの群れのゆっくりは既に全滅させましたが?」 「ゆぐ!?」 虐殺を行っていた村紗と星は人間と和気藹々と会話していた。 お茶までご馳走になって加工済みの饅頭を食べてゆっくりしている。 新たに登場した妹ドスの群れに気づいて再び虐殺を行おうとしたが白蓮がそれを手で制した。 ここは自分がやるからそこでゆっくりしていってくださいと。 それを理解した2人は再び人間と楽しげに会話を始めた。 「まあそういうことです」 「こ、このゲスがぁぁぁ!よくもおねえちゃんのむれのゆっくりをぉぉぉ!かたきうちなのぜぇぇぇ!」 「「「「「ゆっくりしねぇぇぇぇ!!!」」」」」 妹ドスの群れが一斉に白蓮に襲い掛かった。 「はぁ、面倒なのでさっさと始末しましょう」 白蓮はスペルカードを発動させた。 光魔「スターメイルシュトロム」 「「「「「ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!!!」」」」」 無数のレーザーと弾幕の渦が妹ドスの群れに襲い掛かった! レーザーと弾幕の直撃で次々消し飛ぶ群れ。 妹ドスも例外ではなかった。 「ゆぎょぎょぎょごごべべべぶぎゃがやががががごぉぉぉぉ!?」 無駄に図体のデカイ妹ドスは無数のレーザーと弾幕の直撃を受けて体中穴だらけになっていく。 「あっが……ご……ごんなごどが……どぼじで……」 群れは壊滅し残っているのは体中に開いた穴から餡子を噴出す妹ドスだけだった。 帽子、髪の毛、おさげはもちろん両目も損失し痙攣するデカイ饅頭と化した妹ドス。 運よく中枢餡は無事らしいが誰が見ても手遅れな状態だった。 「ごめんなさいね、一瞬で楽にしてあげようと思ったのだけど失敗しちゃった♪」 白蓮が可愛らしくウインクして妹ドスに謝った。 「ぼ……っど……ゆっぐり……じだがっ……」 やがて体から全ての餡子が流れ出るとようやく妹ドスは地獄へと旅立つ事が出来た。 「な……ドスのいもうとがぁぁぁぁ!?」 目の前で起きた惨劇に絶叫を上げるドス。 自分ほどではないがそれに匹敵する強さを持っていた妹がこうもあっさりと。 ドスは信じられない目で白蓮を見た。 「まだチャージが終わらないのですか?飽きたのでそろそろ私も動きますよ」 「ゆぐ!?」 まだチャージは終わらない。 今撃っても中途半端な威力しか出ないだろう。 それではこの人間は倒せない。 認めたくないがようやくドスは白蓮の強さを理解した。 こいつには半端な技は通用しない。 だからドスはじっと耐えた。 チャージが終わるのを。 「えいっ♪」 白蓮はドスの帽子を奪った。 「ゆゆぅぅぅぅぅ!?ドスのすてきなおぼうしかえすんだぜぇぇぇぇ!」 「それっ」 「ゆぅぅぅぅ!?」 白蓮はにこやかな笑顔のまま手刀でドスの帽子を切り裂いた。 「ドスのすてきなおぼうしがぁぁぁぁ!?これじゃもうゆっくりできないんだぜぇぇぇぇ!」 「それそれそれ!」 「ゆゆぅぅぅぅ!?やめろぉぉぉ!ドスのすてきなおぼうしをばらばらにするなぁぁぁ!」 白蓮は何度も何度も手刀でドスの自称素敵なお帽子を細切れにしていく。 そしてトドメとばかりに細切れになった素敵なお帽子を魔力で灰にした。 「あっ……ああああああーーーーーーー!ドズのぉぉぉぉ!ドズのずでぎなおぼうじぃぃぃぃぃ!」 まりさ種にとって命と同等の存在である帽子、それを失ったのだ。 ドスはもう二度とゆっくりする事は出来ないだろう。 「というか、まだチャージは終わらないんですか?次はその金髪をいただきますよ?」 「ゆぐ!?」 ドスは気づいた。 既にチャージは完了している事を。 だが帽子を失った悲しみのせいですっかり忘れていたのだ。 「ゆ、ゆふん!またせたのぜ!これでおまえもおわりなのぜぇぇぇ!!」 「ようやくですか、本当に待ちましたよ」 白蓮はドスから距離を取った。 「ゆふん!いまさらにげてもむだなのぜ!」 「にげるわけではありません、あなたが最強の技とやらを見せてくれるのですからこちらもいいものをお見せしましょう」 「ゆ?」 白蓮は静かに呪文の詠唱を始めた。 すると急激に白蓮とその周りに凄まじい魔力が集まっていく。 「ゆひゃひゃひゃ!ドスのまねなのぜ?そんなことしてもむだなのぜ!」 「……」 「すきだらけなのぜ!ドスがゆっくりおまえのこうげきをまってやるとおもってるのかだぜ?」 「……」 「さあ!いもうととむれのみんなのかたきなのぜ!ファイナルドススパーーーーーク!!」 ドスがそう叫ぶとその大きく開いた口から巨大なレーザーが発射された! 通常のドススパークの数倍の大きさだ。 「もうおやさいとかどうでもいいのぜ!にんげんのおうちもろともぜんめつさせてやるのぜ!」 「……そんな暴挙を許すわけありません」 「ゆ?」 「もうとっくに詠唱は終わってますよ、あなたが隙だらけとか言ってる時にね!」 白蓮はそう叫ぶとスペルカードを発動させた。 大魔法「魔神復誦」 次の瞬間、無数のレーザーと弾幕がドスに襲い掛かった! ファイナルドススパーク?そんなもの一瞬で白蓮のスペルで消し飛びましたが? 「ぞ……ぞんなばがなぁぁぁぁぁぁ!?」 あっという間にドスは光に飲み込まれた。 「あ……っがぁ……」 光に飲み込まれたドスはスローモーションのように自分の体が崩壊していくのを感じた。 残った片目が破裂し、金髪が蒸発し、すべすべだった肌が崩れさっていく。 露出した餡子も例外なく消し飛び、ドスは想像を絶する苦痛を味わっていた。 口もその機能を失い声も出なくなった。 ドスは最後の瞬間に理解した。 この世には自分より遥かに強い奴がいる事を。 そして後悔した。 そんな奴に喧嘩を吹っかけた自分の愚かさに。 「(もっと……ゆっくり……したかっ……)」 心の中で最後の言葉を呟く途中で中枢餡も消し飛び、ドスはその愚かなゆん生の幕を閉じた。 「皆さん、これで駆除は終了しました、もう安心ですよ」 満面の笑顔でにこやかに話す白蓮。 白蓮の強さに呆然としていた人間達だがすぐ白蓮に感謝した。 「白蓮様は美しいだけでなくお強いですな!」 「さすがは白蓮様だ!」 「ありがとうございます!白蓮様!」 「ふふっ、当然の事をしたまでです、これからも困ったことがあれば何なりと言ってくださいね」 「はい!」 「それではそろそろ失礼します、村紗、星、帰りましょう」 白蓮はお礼として沢山の野菜や果物を貰い2人を引き連れ人里を後にした。 「ふふっ」 「聖?どうしました?」 「いえ、ゆっくりというのは面白いモノだと思いまして」 「はい、そうですね、本当に不思議なナマモノですよね」 「それにゆっくりに罰を与えていると……何というか……」 「?」 「いえ、何でもありません、早く帰って夕飯の準備をしましょう、一輪やぬえも待っています」 「そうですね」 少し前方を飛ぶ白蓮を見ながら村紗と星は小声で呟いた。 「……聖、すっかりゆっくり虐待にハマってるよね」 「うん、聖自身も薄々感じてるとは思うけど……」 「まあ私はこれでよかったと思うよ、うん」 「まあね、人間や妖怪はともかくゆっくりとは分かり合えるとは思えないし」 「この世に完璧な者などいない、なら出来る事をやればいい」 「私達はその手伝いをするだけ」 「そうね」 そんな2人に気づいた白蓮は会話に参加してきた。 「何を内緒話してるんですか?」 「いえ、くだらない事ですよ」 「そう?悩みがあったら遠慮せず言ってくださいね?」 「はい、ありがとうございます」 「さっ、命蓮寺が見えてきましたよ、みんなで美味しい夕飯を作りましょうね」 「「はい!」」 人を不快にさせるだけの饅頭であるゆっくり。 この幻想郷でも全ての人妖がゆっくりを嫌っていた。 それは人間と妖怪の共存を願う白蓮も例外ではない。 いや、白蓮の理想はあくまで人間と妖怪の共存だ。 ゆっくりは元々含まれていないのだからこの結果は当然なのかもしれない。 あとがきのようなもの 東方キャラが登場するSSは需要があるのか不明ですが今後も書いていきたいです。 作者は基本的にまりさ種が好きなのでこれからも色々と可愛がりたいですね。(虐待的な意味で) 今まで書いたもの anko2748 まりさはゆっくりできない anko2672 お飾りを操る程度の能力 anko2161 まりさには不幸がよく似合う anko2051 流行り物の宿命 anko2027 まりさと図書館でゆっくり2 anko1982 れいむはゆっくりできない anko1949 まりさと図書館でゆっくり1 anko1875 幽々子のゆっくりいじめ anko1838 まりさつむりはゆっくりできない
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「ふたば系ゆっくりいじめ 281 げすとよばれるもの/コメントログ」 テンションたっけえなw -- 2011-05-23 22 57 35 大阪裁きwwゆっくりしそうだwww -- 2011-10-13 00 04 24 ゆっくりに落書きか、ありそうでなかったな、ひらがなは読めるんだし効果的じゃないか -- 2013-01-16 12 37 50
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いじめぼくめついいんかい【登録タグ い ンチャP 初音ミク 曲】 作詞:ンチャP 作曲:ンチャP 編曲:ンチャP 唄:初音ミク(Dark) コーラス:初音ミク・歌笛モカ 曲紹介 ボクメッツ(゚∀゚) ボクメッツ(゚∀゚) 曲もイラストも全て ンチャP のお手製。 歌詞 おきては そむいちゃいけない 差別だらけの世の中で やぶったら きびしい 罰の歴史 「幸福よぶ バイブル」 「一人のこらず」 「平等ゆるがず 望むことでしょ?」 いじめ撲滅 くりかえすの 撲滅 撲滅の lutala luta ta いじめ撲滅 可能 不可能 今はたいしたことじゃない lutala luta ta 大人は 可能性閉ざし 帰るベッドタウン 一気にトーンダウン こんなはずじゃ 心停車 遠いティーンネイジャー いまかいまかと出番待つ とても退屈 弾丸が待つ 最高でしょ いじめ撲滅 くりかえすの 不可欠 不可欠を 言い聞かせる いじめ撲滅 可能 不可能 今はたいしたことじゃない lutala tata la 列をひたすら乱して 風呂敷は大味で 攻撃的負け惜しみで はきだす悲しみ この対象 神経症 不味い 人口 栄養失調 この世は支離滅裂 どうするんだ わからず 「幸福よぶ バイブル」 「一人のこらず」 「平等ゆるがず 望むことでしょ?」 いじめ撲滅 くりかえすの 撲滅 撲滅の lutala luta ta いじめ撲滅 絵空事でも コメント ハマる! -- 名無しさん (2015-10-31 00 00 37) 爽やか -- 名無しさん (2015-11-09 00 52 54) 名前 コメント